ソウルからヨボセヨ

韓国人は大胆不敵?

 韓国の現代事件史で世間を騒がせた人物2人が改めて話題だ。海外逃亡中だった人物で、一人は1990年代に韓国が金融危機で大騒ぎしたころ政商として羽振りがよかった新興財閥・韓宝グループの鄭泰守(チョン・テス)会長(当時)。もう一人は2002年の大統領選の際、虚偽情報で保守系候補を追い落としたことで知られるブローカー金大業(キム・デオブ)。

 前者は中央アジアなどを経て南米エクアドルに隠れ住んでいた。現地の病院で亡くなったときは95歳で、同じく海外にいた息子が帰国し明らかにした。後者はフィリピンで最近、捕まった。フィリピンは近年、韓国犯罪者の逃亡先になっており、韓国の捜査当局が常時、目を光らせている。

 筆者は先ごろ、友人たちへの大借金が返せず中国に逃亡していた知り合いの韓国人に十数年ぶりに街でぱったり出会った。中国で再起のビジネスをしていてお忍びの一時帰国とか。中国も韓国人にとって犯罪者を含め各種事案の逃亡地として知られる。

 思い出せば、筆者が1970年代に韓国でお世話になった下宿の主人一家はその後、ビザもないまま南米のパラグアイ経由で親戚のいるブラジルに移民し後年、事業に成功していると絵はがきをもらった。韓国人は大胆で挑戦心があって法律もものともせず、平気(?)で国境を越える。(黒田勝弘)

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