欧州、核合意めぐりイラン説得の妙手なく

 【ベルリン=宮下日出男】イラン核合意の当事国である英仏独は、イランが合意を順守するよう説得に躍起だ。だが、原油取引の継続など、イランの要求に応える実質的な方策は見出せていない。イランがさらに違反行為を拡大すれば、合意存続を目指す欧州も制裁再開の是非をめぐって厳しい判断を迫られそうだ。

 イラン説得のカギを握るのは、英仏独が1月に発足させた「貿易取引支援機関(INSTEX)」。米制裁を避けてイランとの貿易決済を担う組織で、近く最初の取引が行われる予定だ。他の欧州7カ国も参加が見込まれている。

 イランは、人道物資に限った同機関の取引対象を原油にも広げるよう要求。欧州側は「合意の完全順守が取引の土台だ」(仏外務省報道官)と、取引拡大のためにもイランに自制するよう求めている。仮に原油を加えても、米国が同機関の取引を制裁対象とすれば効果は限定的になる。

 欧州では、核合意の定める紛争解決手続きを発動するか否かも焦点になりつつある。この手続きは最終的に国連制裁の再開につながる可能性があり、イランが態度を変えなければ、「(発動を)回避できなくなる」(欧州外交筋)との懸念が出ている。

会員限定記事会員サービス詳細