過去の五輪4大会全てで、日本勢が決勝に進んでいるレスリング女子の最軽量級。激戦の50キロ級代表争いで最後に抜け出し、代表決定プレーオフを制したのは入江ゆき(自衛隊)だった。3週間前の全日本選抜選手権では初戦で苦杯をなめた須崎優衣(早大)に6-1で完勝。初めて世界選手権の切符をつかみ「最後は気持ちで勝った」と喜びをかみしめた。
リードを守ろうとして残り2秒で逆転を許した反省が、大一番で生きた。第1ピリオドに消極的として1点を許したが、タックルで右足を取って2-1と逆転。第2ピリオドでタックルやローリングで点差を広げても、最後まで攻め続けた。
「世界選手権は自分のレスリングを貫いて、金メダルを取りたい」と宣言した全日本女王。最終目標はもちろん、東京五輪での金メダル。夢をかなえるまで、26歳は走り続ける。(岡野祐己)