地域社会との「共生」模索 「心地いい」居場所作りを

 「Dカフェに行った日の母は饒舌(じょうぜつ)だった」。妻の奈々絵さん(47)も笑顔で振り返る。

 母の死から1年余りたったが、土方さん夫妻は竹内さん宅に顔を出し、別の参加者に体験談を語る。「認知症の人も家族もどんな人でも受け入れてくれるのはありがたい。母だけでなく私たちも救われていた。その恩返しをしている」

 ◆多様な人材で

 厚生労働省によると、29年度の調査で、認知症カフェは全国の5863カ所で運営されている。ただ、明確な設置基準がないため、活動内容にばらつきがあり、課題も少なくない。

 28年に実施された実態調査(1477カ所が回答)では、活動内容として、テーマを決めて意見交換する認知症の本人や介護者の「ミーティング」の実施は9%にとどまった。「運営上の課題」には、77%が「認知症の人が集まらない」と回答した。

 「認知症の人と家族の会」東京都支部代表の大野教子さん(68)は「認知症の当事者が疎外感を抱き、本音をさらけ出せないことも多い」と指摘。「充足感を感じながら穏やかな生活を送るにはどうすればいいか。当事者や家族の視点に立った施策を進めてほしい」と訴える。

 Dカフェが特徴的なのは、竹内さんの自宅だけでなく、認知症専門病院や訪問看護センター、居酒屋など計10カ所で定期的に開催されていることだ。