第25回参院選が4日公示され、21日の投開票に向けて17日間の選挙戦がスタートした。参院の定数は3増の245で、今回は改選124議席(選挙区74、比例代表50)を争う。選挙区215人、比例代表155人の計370人が立候補を届け出た。
今回の参院選は令和初の国政選挙で、平成24年12月から6年半を超えた安倍晋三首相(自民党総裁)の政権運営に対する評価が問われる。憲法改正に前向きな改憲勢力が国会発議に必要な3分の2(164)以上の議席を引き続き確保できるかどうかも焦点となる。
候補者数は、比例代表が導入された昭和58年以降では平成16年の320人に次いで少なかった。女性候補は104人で、前回より8人増え、候補者に占める割合は28・1%で過去最高となった。今回から比例代表で各党が優先的に当選させたい候補者を選べる「特定枠」が導入された。
首相は福島市で行った第一声で、外交や経済などでの実績を強調した上で「与党でしっかりと力を合わせ、政治の安定を確保していきたい」と訴えた。争点として憲法改正議論の是非も掲げ、「国会議員としての責任を果たして議論する政党を選ぶのか、審議を全くしない政党を選ぶのか、それを決める選挙だ」と強調した。
一方、立憲民主、国民民主、共産などの野党は32の改選1人区全てで候補者を一本化し、与党に対抗。消費税増税に反対し、老後資金で2千万円が必要とした金融庁金融審議会の報告書をめぐる政府対応などを追及する。
立憲民主の枝野幸男代表は東京都内で臨んだ街頭演説で「安倍政権が発足して6年半、本当に暮らしはよくなったのか」と安倍政権を批判し、支持を求めた。