戦後の枠組み「変わるべきとき」
PTAは「ペアレント・ティーチャー・アソシエーション(父母と教職員の会)」の略で19世紀末に米国で誕生。国内では戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導で昭和21年、文部省内に「父母と先生の会委員会」が設置された。翌年、PTA結成のための手引書が作成され、急速に全国の学校で組織化されていった経緯がある。
親が学校や公共のために奉仕する姿を子供に見せ、子供のボランティア精神を育てるといった側面もあったが、近年では親が子供の前で「なぜ、こんなことをさせられるのか」とPTAを批判するなどし、逆効果も生じている。
PTAに詳しい大阪教育大学教育学部の小崎恭弘准教授(保育学)は「時代の変化、多様化の中で、戦後構築された枠組みでうまくいっていた時代が終わりを告げている。PTAも悪いとか不必要とかいうことではなく、変化すべきときだ」と分析。「公共性と個人主義のバランスを取りながら、子供にとって大切なことは何かをもう一度考え直す必要がある」と指摘している。