朝晴れエッセー

比例するお金と虚しさ・6月30日

突然だが、みなさんはゲームセンターに行く機会などはあるだろうか。そこにはコインゲームや格ゲー、シューティングゲームなどが存在するが、数多くの人を一喜一憂させてきたのがこの「UFOキャッチャー」だろう。

私は今、宿敵とも呼べるこのゲームとにらみ合っている。「今日こそは」

1枚目のコインを入れ緊張した面持ちでレバーを動かす。つかんだ、と思ったのもつかのま、アームからこぼれ落ちる景品。くそっ。2回目、3回目をするも、一向につかまるような気配もなく、4回目、5回目もとることができない。

UFOキャッチャーとは恐ろしいもので、すぐそこに獲物をぶら下げて人々を魅了してサイフのひもをゆるませる中毒性のようなものがある、と私は思う。

目先の私益に惑わされてはいけない。そう自分に言いきかせると、おもむろに100円をとりだして、その悪魔に投入する。またやってしまった。ろくな大人にならないな、私は。と感じながらも、大きな罪悪感と少しの期待を胸にしまい、レバーを動かす。

UFOキャッチャー。それは、現代における娯楽。しかしそこにはある掟(おきて)が存在する。それは、のめりこみすぎないことだ。何事にも適度な距離というものがあるということを理解しなければならない。

そして私は店をあとにした。

ずいぶん軽くなったサイフとともに。

菊地 夏輝 15 中学生 大阪府藤井寺市