諫早開門認めぬ判決が確定 最高裁、開門の是非めぐり初の決定

 国営諫早(いさはや)湾干拓事業(長崎県)をめぐり、潮受け堤防閉め切りで深刻な漁業不振になったとして、諫早湾や周辺の漁業者らが国に堤防排水門の開門などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は漁業者側の上告を退ける決定をした。開門を認めない判断が確定した。開門の是非が争われた訴訟の判決が最高裁で確定するのは初。具体的な理由は示さなかった。

 決定は26日付。4裁判官全員一致の結論。また、干拓地の営農者らが国に開門差し止めを求めた訴訟も、同日付の決定で差し止めを命じた判決が確定した。

 同種訴訟では、福岡高裁が平成22年12月、漁業被害を認め、5年間の常時開門を命じている。菅直人首相(当時)が上告しない政治判断をしたことで判決が確定。開門期限直前の25年11月には、長崎地裁が開門差し止めの仮処分決定をしている。司法判断がねじれた状態で、今回の最高裁決定でも状況は変わらない。

 国が漁業者に潮受け堤防排水門の開門を強制しないよう求めた請求異議訴訟の上告審は7月26日に最高裁で弁論が開かれる予定だ。

 漁業者側が開門を求めた今回の訴訟では、23年6月の1審長崎地裁判決が開門請求を退け、27年9月の2審福岡高裁も「原告が主張する漁業被害と開門しないこととの因果関係は認められない」と支持した。

 もう1件の訴訟は、営農者らが国に開門禁止を求め、29年4月の1審長崎地裁判決は認めた。国は控訴せず、補助参加人として訴訟に加わっていた漁業者が独立当事者としての参加を求めたが、福岡高裁判決(30年3月)が退け、漁業者が上告。今回の決定で営農者側の勝訴が確定した。

 開門請求訴訟で最高裁が漁業者側の上告を退けたことについて、吉川貴盛農水相は「国の主張が認められた」とコメントした。