『磨きやすい』歯ブラシ、奈良に専門店オープン

 観光客でにぎわう奈良市の中心市街地に先月、歯ブラシの専門店がオープンした。その名も「『みがきやすい』歯ブラシ」-。奈良のシンボルであるシカや大仏をあしらっており、かわいらしいデザインに引かれて買い求める外国人観光客も。売れ行きは上々で、早くも評判を呼んでいる。(前原彩希)

 同店は歯ブラシの加工・販売会社「ライフレンジ」(奈良県桜井市)の初の直営店。看板通りの磨きやすさを消費者に直接実感してもらおうと、先月12日に奈良市の近鉄奈良駅近くにオープンした。

 販売しているのは「『磨きやすい』歯ブラシ」。ライフレンジと、歯ブラシ製造会社「タナベ」(同県田原本町)が平成19年に共同開発した。タナベ会長で、70年を超えるキャリアを誇る歯ブラシ職人、田辺重吉さん(95)が作った歯ブラシがもとになっており、イラストのないシンプルなものは全国のドラッグストアなどで月間80万本を販売する人気商品だ。

 毛先が歯の隙間に入りやすいよう、植毛する穴の間隔が1・0~1・1ミリと、一般的な歯ブラシ(0・8~0・9ミリ)より広いのが特徴。加えて、削った鉛筆のように、毛先が先端に向かって細くなっているのが磨きやすさの秘密だ。持ち手には弾力性のあるポリプロピレン樹脂を使用しており、軽い力でしっかり磨くことができる。

 直営店では、持ち手にデザインを施した大人用4種類(税別300円)と子供用2種類(税別250円)を限定販売。シカや大仏、金魚といった奈良らしいモチーフのほか、花やこけしなどがポップなタッチで描かれている。開店から1カ月の売り上げは目標の1・5倍を記録し、早くもリピーターを増やしているという。

 店番はライフレンジの社員とパート計13人がシフト制で務める。慣れない接客やレジ打ちに苦労しながらも「お客さまから生の声が聞ける」と励みになっているといい、大塚謙治社長(50)は「職人のこだわりが詰まった歯ブラシ。磨き心地をぜひ試してほしい」と話している。

 火曜定休。問い合わせはライフレンジ(0744・46・9061)。

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