【パリ=三井美奈】国連食糧農業機関(FAO、本部ローマ)は23日の総会で、中国の屈冬玉・農業農村省次官(55)を次期事務局長に選出した。中国人のFAOトップ就任は初めてとなる。
総会の投票は中国、フランス、ジョージア(グルジア)の3候補の戦いとなった。米国はジョージアの候補を推しており、米国のFAO代表部大使は投票直前、「新事務局長は、地位を国益のために使わない人物であるべきだ」とする声明を発表。中国の候補擁立の動きを牽制したが、屈氏は第一回投票で191票中108票を獲得し、圧勝した。仏候補は、欧州連合(EU)加盟国の多くが支持に回った。
屈氏の就任は8月1日で、任期は4年。FAOには194カ国が加盟する。中国は近年、国連機関トップの地位獲得を進めており、国際民間航空機関(ICAO)、国連工業開発機関(UNID)の事務局長に人材を送り込んでいる。