日本郵政グループ、相次ぎ不適切販売 企業統治の再構築が不可欠

 かんぽ生命保険で24日、顧客の不利益になるような保険の乗り換えを促した疑いが判明したが、社内調査で不適切とは認識せず、今後の顧客対応などについても具体策を示さなかった。日本郵政グループでは14日にゆうちょ銀行でも高齢者向けの投資信託販売で社内ルールに則さない不適切な手続きが発覚。不祥事が相次ぎ、コーポレートガバナンス(企業統治)体制の再構築が求められるが、その道筋は不透明だ。(万福博之)

 「調査結果を踏まえ、顧客本位の業務改善を進めていく」。24日の記者会見でかんぽ生命の堀家吉人専務執行役はこう繰り返した。だが、今後の調査や原因究明などについては明確な方向性を示さず、説得力は乏しかった。

 かんぽ生命の社内調査では昨年11月のみを抽出し、さらに個別面談で契約者に確認したのは300件と限定的だ。乗り換え契約が急増した平成29年10月にさかのぼって点検するかを問われたが、「ベストな方法を関係者と議論して決めたい」(日本郵政の長門正貢社長)と言葉を濁した。

 契約者の中には保険の乗り換えを勧められ、既存の契約を解約した後に健康状態の悪化などが判明して新契約を断られ、無保険になるケースも懸念される。「そうした事案は元の契約を復元する」というが、対象の顧客をどう調査するかなども明言しなかった。

 日本郵政グループは顧客目線のサービス体制構築に向け、今年4月に金融商品の販売を担う郵便局員らの評価体制を刷新した。獲得加入件数より継続率を重視する評価に切り替え、80歳以上の人には勧誘を控えるなど業務体制の見直しを推進する最中に、不適切事案が相次いで発覚した。企業統治の抜本改革が迫られており、今回の不適切販売の疑いについても早期の全容解明が求められる。