ぶどう苗木「隔離検疫」免除へ仏と協議 国産ワインの需要拡大

 農林水産省が、フランスとの間で醸造用ぶどうの苗木を輸入する際に義務づけられている「隔離検疫」を免除する方向で協議を進めている。純日本産ワインの人気向上に伴い、国内ではぶどうの苗木不足が深刻化。通常で1年以上かかる苗木の隔離検疫を免除し、輸入を促進させることで、国産ワインの増産につなげる狙いがある。(手塚崇仁)

 「日本産ワイン」の表示をめぐっては、以前は明確な規定がなく、外国で育てたぶどうを国内で加工しても国産として販売可能だった。

 だが、国内栽培のぶどうを使用したワインの評価が世界的に高まってきたことを受けて国税庁が昨年10月、表示を厳格化。国内栽培のぶどうを100%使用し、かつ国内で醸造されたもののみを「日本ワイン」と表示できると決めた。

 さらなるブランド向上が狙いだが、国内ではぶどうの苗木が不足化している。海外の苗木業者から輸入する方法もあるが、国が指定する隔離検疫を実施するための圃(ほ)場は3カ所のみで、年間2700本の検疫が限界。輸入本数に実質的な制限が設けられている状態だ。

 農水省は昨年1月、ぶどう苗木の隔離検疫を民間施設でも実施可能にすると発表した。しかし、指定施設となるための条件が厳しく、費用が高額になるなどの問題があるため、ワイン醸造用ぶどうの大生産地であるフランスとの間で、同国から輸入する苗木の隔離検疫を免除することが可能か、協議を始めた。

 隔離検疫の免除は、オランダから輸入されるチューリップなどの球根で、日本側が定める検査が輸出国で施されることなどを条件に既に適用されている。

 農水省の担当者は「具体的な協議内容については答えられない」としている。