「デトックス」は幻想だった? 5つの手法を科学的に分析した結果

基本的には、レモンジュースと水にカイエンペッパーとメープルシロップを加えた飲み物を指しており、「マスタークレンズ・レモネード」と言ってもいいだろう。すべての食べ物と飲み物をこのレモネードに置き換えることで、食事をとらないようにする。

しかし、マスタークレンズのような過激なダイエットは著しく健康に害を与える可能性があると、ニューヨークを拠点とする管理栄養士のレイチェル・リンクは説明する。「代謝を鈍らせるだけではなく、体重を落としにくくする作用さえあります。通常の食事に戻すと、たいていは体重が再び増加するでしょう」

(2)ハーブ療法

肝臓のデトックスを促す方法としてよく宣伝されているサプリメントのひとつに、オオアザミ(Milk thistle)というハーブがある。この植物の種子には肝機能を改善するとされる化学物質のシリビンが含まれており、排毒を促すと言われてきた。

このような認識が一般的に広まっている理由は、一部の研究により、シリビンが肝障害やがんの治療につながる有望な成分であることが示されたからだ。「肝疾患の人であれば、肝機能を改善できる可能性があります。しかし、単に健康を増進したい元気な人に対する効果は、まだ十分に研究されていません」と、管理栄養士のリンクは話す。

オオアザミなどによる治療の成功例は個人による報告に基づいており、証拠としては不十分だと彼女は言う。そしてハーブに関するこのような認識が、大いに由々しき事態に至ることもある。液体とハーブ療法でデトックスを試みた女性が2017年1月に、命に関わる疾患で病院に運ばれたのだ。

この症状の正確な原因を医師たちは判断できなかったものの、女性が摂取した薬のひとつに含まれていたセイヨウカノコソウの根に関連があるのではないかとみている。「人が口にするものは何でも危険性があります。特にこうした疑わしい製品をつくっている会社は、一般的にきちんと取り締まりされていません」と、臨床神経科医のノベラは話す。

(3)イオンフットバス

スパは全国にあるが、そこでイオンフットバスの広告を見たことがある人もいるだろう。あるいは、DIYキットとして売り込まれていることに気づいた人もいるかもしれない。

イオンフットバスとは、「プラスに帯電したイオン化フットバス」によって、マイナスに帯電した体内の毒素を引き寄せて身体から排出する--というものだ。通常は使用後に、フットバスに入っている水の色が変化する。メーカーによると色の変化が、この療法の効果を示す証拠だという。

しかし、実際のところ水の色が変化するのは、毒素の排出とは関係のない複数の理由によるものだ。例えば、イオン化した水に含まれる不純物が、この不思議な変化の原因である可能性が挙げられるだろう。

健康なボランティア6人の尿サンプルに基づいた研究では、イオンフットバスによって足から毒素が排出されることはないことが明らかになっている。

いっそのこと、自宅で浴槽の水に足を漬けてみてもいいかもしれない。少なくともこのやり方なら、お金はかからないだろう。

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