トランポリン男子で2016年リオデジャネイロ五輪個人4位の棟朝が意地を見せた。
世界選手権(11~12月、東京)代表最終選考会で、21日の予選は第1自由演技で失敗し中断。突破が危ぶまれる中、同様に中断する選手が続出し、奇跡的に22日の決勝に進んだ。この日は、2本目に高得点とされる60点を超え、世界選手権代表に名前をねじ込んだ。「自分の演技をやりきれたことが一番うれしい」という。
リオ五輪後は首を痛め、長らく思うような演技ができなかった。今大会直前には腰も悪くして満身創(そう)痍(い)に。陸上男子短距離の山県亮太を担当する鍼(しん)灸(きゅう)師に施術してもらうなどして、何とか出場にこぎ着けた。
東京五輪代表の座を狙えるのは、世界選手権の個人種目に出場できる4人。棟朝はシンクロ要員で、個人は補欠の位置づけだ。「(他選手の故障などによる交代出場という)チャンスは願いたくないが、気持ちをしっかり高めてやっていく」と語った。(宝田将志)