鴻海の郭会長が退任 台湾総統選に集中

21日、台湾北部・新北市の鴻海精密工業本社で、総統選に向けた決意を示す郭台銘氏(鴻海提供)
21日、台湾北部・新北市の鴻海精密工業本社で、総統選に向けた決意を示す郭台銘氏(鴻海提供)

 【台北=田中靖人】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は21日の株主総会と取締役会で、来年1月の総統選に立候補を表明している創業者の郭台銘(かく・たいめい)会長(68)が会長を退任する人事を決めた。郭氏は取締役にとどまるものの、経営の第一線からは退き当面、総統選に向け野党、中国国民党の予備選に集中する。

 後任の会長には、鴻海の子会社シャープの取締役も務める劉揚偉(りゅう・ようい)氏が7月に就任する。今後の鴻海の経営は、郭氏の側近を含む取締役ら9人で構成する経営委員会が担う。郭氏は当初、取締役も退任するとみられていたが、一定の影響力を残した。新経営陣は米中貿易摩擦の中で、難しい舵取りを迫られる。

 郭氏は株主総会の冒頭、「鴻海からフェードアウトすることを決めた」と述べて会場を退席。新会長が決まった後、再び登壇し、「今日の台湾経済の問題は政治にある。過去の40年間に培った資源を今後4年間、台湾のためにささげる」と総統選への意欲を改めて示した。

 国民党は7月中旬に世論調査に基づく予備選を行なう。郭氏は各種世論調査で、韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長(62)を追う展開。韓氏は香港のデモに関する失言などで支持率を下げており、郭氏との差が縮まっている。