フィリピン元外相、香港で入国拒否 南シナ海めぐり習氏告発

 【シンガポール=森浩】フィリピンのデルロサリオ元外相が21日、香港の空港で入国を拒否された。拒否された理由は明らかになっていないが、デルロサリオ氏は3月、南シナ海で中国が進める人工島建設などを「人道に対する罪」に当たると非難し、習近平国家主席らを国際刑事裁判所(ICC)に告発していた。

 代理人弁護士によると、デルロサリオ氏は非常勤取締役を務める企業の株主総会出席のために21日午前、香港の空港に到着したが、入国管理官が入国を認めなかったという。空港で約6時間取り調べを受けた後、帰国の途に就いた。デルロサリオ氏はAP通信の取材に「明らかに嫌がらせだ」と反発している。

 今年5月には、デルロサリオ氏とともに習氏を告発した元行政監察官のモラレス氏も「安全上の脅威」として入国を拒否されている。

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