朝晴れエッセー

プチ同居・6月20日

近所に住む娘一家4人が、自宅をリフォームするため、2カ月の予定でわが家に引っ越してきた。犬、小鳥、フクロモモンガ、ザリガニ、トカゲも一緒だ。

2年前に夫が亡くなり、一人暮らしの家がにわかににぎやかになった。

大量の洗濯物である。こんなにあって大変という思いがおきないよう、洗濯物に「ありがとう」を添えながら干している。するとなぜか一枚一枚に、いとおしい気持ちがわいてくる。

かつて夫は働く娘の代わりに、毎朝孫を迎えに行き、小学生の姉孫の登校班を見送ってから、近くの公園で下の子を遊ばせたり、昼食、昼寝をさせたりと「目の中に入れても痛くないね」とこの上ないかわいがりようであった。

妹孫が今春中学生、わが家から中学生の制服で入学式に出かけた。夫の満面の笑みが見守ってくれたと思う。

高校生の姉孫は学校から帰宅すると、すぐに着替えて、保育園勤務の母親の代わりに夕飯作り。レシピを見ながら丁寧に材料を切っている。妹はミッキーマウスのシャツ姿でお米とぎ。見るだけで胸が熱く「かわいいわね」「ありがとう」と声を交わす。

私がつまずきそうになった瞬間、声をそろえて「大丈夫?」のひと言もうれしくて、耳元で何回もこだまする。

今、わが家はぬくもりがあふれている。

水上芙佐子 74 東京都世田谷区