エレキング、オクスター ウルトラ怪獣に親しめる絵本「かいじゅうのすみか」

絵本「かいじゅうのすみか」
絵本「かいじゅうのすみか」

 「ウルトラマン」シリーズをはじめとする、円谷プロダクション制作の多くの映像作品で親しまれている怪獣が絵本に-。円谷プロはシリーズに登場する怪獣の新たな魅力を紡ぐブランドとして、「かいじゅうのすみか」を発表、8月に絵本を発売する。 

(文化部 兼松康)

 「怪獣は円谷にとってはウルトラマンに匹敵する大スター。もう1度、お客さんにその魅力を知ってもらいたい」

 円谷プロの塚越隆行会長はこう説明する。

 宇宙開発競争で某国により打ち上げられたロケットで事故に遭い、水のない惑星で怪獣に変貌し、復讐(ふくしゅう)のために地球に戻ってきた元宇宙飛行士、万博に展示するために生息地から日本に運ばれる途中で落下し、大暴れした古代怪獣、宇宙人の地球侵略の先兵として使われた怪獣…。

 円谷プロ作品の怪獣や宇宙人たちは、数知れないほどたくさんいるが、たいていの怪獣らには、それぞれに登場する事由が描かれている。

 塚越会長は「怪獣たちはその行動からわれわれに何を伝えようとしていたのか。そこには人間が避けては通れない普遍的な課題への問いかけがあり、だからこそ、その声に耳を傾けることには大事な意味があるのかもしれない」と指摘。今回の「かいじゅうのすみか」は、そんな怪獣や宇宙人らが「何者かと敵対することなく、自然のありのままの姿で共棲する世界を捉える作品」という。

 絵本の舞台は「かいじゅうたちが、あるがまま心穏やかに生きる安らぎの地」。誰も訪れたことのない「かいじゅうのすみか」だ。そこに、時空のゆがみで人間社会との扉が開き、親元を離れて、サマーキャンプ中だった少年が、その扉をくぐってしまい、時空を漂流し、迷い込む。扉は閉じ、少年は戻ることのできない、未知なる冒険をはじめる…。

 これが内容で、そこにはエレキング、オクスター、モルフォ蝶といった歴代作品の怪獣たちが次々に登場するという。

 塚越会長は、円谷プロのファン層の拡大を目指しており、男女、年齢層、ヘビーユーザーやライトファンといったファンの度合いなどのカテゴリで、それぞれに円谷作品やその世界観が浸透することを目指している。今回の絵本は、決して未就学児などの子供だけに向けたものではなく、幅広い年齢層へのアプローチを目指している。

 円谷プロ製作部の隠田雅浩ゼネラルマネージャーは、「文章を少なめにし、発想力を持てるようにしたいという思いがある。そもそも怪獣は日常の世界に迷い出てくるものではないが、怪獣の世界に自分たちが迷い込んだら、あんな世界があるのかと思ってもらえれば。もののけでもなく、モンスターでもない怪獣という生き物に触れてもらえたら」と説明した。

 ファン層の拡大を目指して、「かいじゅうのすみか」の世界観を体感できるイベントを11月から来年1月にかけて開催することも合わせて発表された。東京都文京区の東京ドームシティで行われる「体感アトラクション かいじゅうのすみか」では、「円谷プロならではのアナログ特撮技術と最新のデジタル技術を駆使して、『かいじゅう』たちの魅力を味わえる全く新しい体感アトラクション」になるという。

 ターゲットは子供やその家族、既存の怪獣ファンだけでなく、学生や女性、カップルなど、大人にも楽しめる「ファンタスティックなリアルエンターテインメント体験」となる予定だ。

 その後は、小説やVR(仮想現実)コンテンツ、ゲームなどに、「かいじゅうのすみか」を幅広く展開することが予定されており、塚越会長は「『かいじゅうのすみか』に出てくる怪獣のスピンオフも考えており、円谷の怪獣を、ウルトラマン同様に、みんなのアイドルにしたい」との構想を明かした。

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