どうなる熱海国際映画祭 市と事業者の対立収束めど立たず

 しかし、市が手を引いたところで事態が落ち着くはずもなく、6月4日に市内で会見した髪林氏は「嫌がらせとしか思えない。子供じみている」と糾弾。「映画祭に(作品を)出す人は熱海を選んで出してきている。何があってもやる」と力を込めた。負担金の返還はせず、市側には申請済みの文化庁への助成金の窓口業務を引き続き行うよう求めている。

 そもそもなぜこんなにも赤字が膨らんだのか。それについて髪林氏は「ガバナンスが甘く、その結果、膨大な出費になってしまった」と責任を認める。

 赤字増大の原因は、決算を終えた昨年8月以降、実行委員会の構成企業の1社から約1000万円の請求を受けたため。髪林氏によると、この企業とは事前に契約書が交わしておらず、支払いが発生するとは思っていなかったという。

 今年の映画祭に関し、髪林氏は予算規模を大幅に縮小して実施する方針。文化庁の助成金や県の補助金、協賛金がすべてが失われ、予算規模は昨年の10分の1ほどになるという。チケットの前売りもなく、資金の当てはない。髪林氏は「ギリギリだが、関係者の持ち出しでやる」と話している。

 市が中心となって集めたボランティアも一から集め直し。業者の手配、告知など積み残された課題は多い。第2のカメ止めを目指す作品の出品者に責任はない。無事、開催されることを願うのみだ。

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