トランプ陣営、内部世論調査結果漏らしたメンバー放逐

 【ワシントン=黒瀬悦成】米ワシントン・ポストなど複数の米主要メディアは17日までに、来年の大統領選で再選を目指すトランプ大統領の陣営が世論調査担当チームのメンバー3人を放逐したと報じた。選挙の行方を左右する複数の重要州でトランプ氏の支持率が民主党の候補指名争いでトップを走るバイデン前副大統領を下回っているとする内部世論調査の数字がメディアに漏れた責任を取らされたとしている。

 ABCテレビが今月中旬に暴露したトランプ陣営実施の内部世論調査では、東部ペンシルベニア州ではバイデン氏の支持率が55%なのに対しトランプ氏は39%。中西部ウィスコンシン州でもバイデン氏51%、トランプ氏41%だった。

 トランプ氏が18日に再選出馬表明の大規模集会を予定しているフロリダ州でも、トランプ氏はバイデン氏に7ポイント差をつけられているという。

 これに対しトランプ氏は当初、一連の調査結果はメディアの捏造(ねつぞう)であり「存在しない」と主張。しかし、陣営幹部は後に世論調査は3月に行われたもので現状を反映していない上、投票率を最悪に想定した場合の数字だと釈明し、報道は「不完全で誤解を招く」と反論した。

 ただ、トランプ氏に近いとされるFOXニュースが16日発表した世論調査でも、両氏が本選で対決すると想定した場合の支持率はバイデン氏49%、トランプ氏39%。トランプ氏が最近、バイデン氏を特に激しく攻撃しているのは、一連の調査結果が背景にあるのは確実だ。

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