ピエール瀧被告に裁判官が問いかけた「人生」 前身のバンド名

 傍聴席から写真を見ることはできなかったが、小野裁判官は証拠の中にあった「人生」と書かれた張り紙を、誰かが瀧被告に書いたものとして話を続けた。「どうして(『人生』と)貼ってあるのか検討しました。インディーズ時代を含めて(瀧被告に関することで)よく出てくる言葉だと分かりました」

 瀧被告が所属するバンド「電気グルーヴ」のインディーズ時代のバンド名は「人生(ZIN-SAY!)」。電気グルーヴの相棒として長年、音楽活動を続けてきた石野卓球氏は、瀧被告が逮捕された後の3月24日、ツイッターで「Zin-sayは電気グルーヴ、電気グルーヴは人生」とつづり、ネット上では、石野氏が瀧被告への思いを語ったものではないかと話題になっていた。

「3つのことを問いたい」

 小野裁判官は「3つのことを問いたい」と瀧被告を見据え、「人生をどうしたいのか。人生の持つ意味とは何か。『人生』と書いてくれた人の気持ちに答えられているか」と語りかけた。

 その上で「あなたが芸能界に復帰できるのか、復帰できても何年先になるのかは分かりません。でもいつか薬物のドーピングがなくても、芝居がいいとか、これまでより活躍していると、社会の人から見てもらえる日がくることを切に願っています」と述べた。

 瀧被告は被告人質問で「音楽をつくることはこれからもやっていこうと思う」と復帰への思いをにじませ、薬物を絶つためには「孤独感やストレスを抱えてはいけない」とも語っていた。

 小野裁判官は「謝罪やカウンセリングの中で迷ったり悩んだり孤独になることがあるんじゃないかと思います。そのときは『人生』と書いた人の気持ちに答えられているかを、胸に手を当てて考えてほしい。それがあなたがいるべき場所を見失わない上での大切なことじゃないでしょうか」と締めくくった。

 瀧被告は手を前に組み、時折うなずきながら説諭を聞いていた。最後は検察側や傍聴席に一礼して退廷。弁護士を通じて発表したコメントにはこう記されていた。

 「こんな自分でありながらも、励ましや応援の言葉を表明してくださった多くの皆さまには心より感謝しております。本当にありがとうございました。二度とこのようなことを起こさないよう戒めてまいります」

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