朝晴れエッセー

もう一度・6月17日

2人の息子とレジャー施設に出掛けた。入園料を払おうと財布を開けた途端、冷や汗が流れた。カード払いの習慣で、出掛ける前に財布の中身を確認してこなかった。中には少しの現金しか入っていない。これで今日1日乗り切れるだろうか…。しかし、大興奮の息子たち。ここは平気な顔をして、いざ入園。

いくらでも乗りたがる乗り物は、2つほどで切り上げ、お昼のレストランでは「これが一番おいしそう」と安いメニューへ誘導。次男が池の白鳥ボートに乗りたがったが、隣にいかだがあり、こちらはなんと無料。ここは、いかだにしよう。

池を1周し、そろそろ岸に上がろうと次男をまず陸に上げ、次は長男、と思ったらいかだが岸から離れたので、もう一度いかだを岸につけようと後ろを向いた瞬間、ドボンと後ろで大きな音がし、振り返ると長男が消えていた。あっと思うと同時にすぐ長男を引き上げたが、全身ずぶぬれで鼻血までたらし、見るも無残な姿だった。恐怖と寒さで泣いている長男の服を着替えさせ、売店でサンダルを買った。

あんなに楽しみにしていた息子たちを思ってやるせない気持ちで園を後にしたが、このまま帰るのもかわいそうになり、乗換駅で残りわずかな現金を数え、たい焼き屋さんに寄った。長男は一番高いたい焼きをおいしいとほおばり、次第に元気を取り戻していった。財布は空っぽになった。

今度は、財布にたくさんお金を入れて、そして、やっぱりもう一度いかだに乗りに行こうと思っている。

安井 陽子 42 東京都目黒区