難病「筋ジス」テーマ 「こんな夜更けにバナナかよ」 主演・大泉洋さん

日本筋ジストロフィー協会全国大会のトークショーで、バナナを持つ患者の男児から花束を受け取る大泉洋さん(右)=5月19日、東京都内 (日本筋ジストロフィー協会提供)
日本筋ジストロフィー協会全国大会のトークショーで、バナナを持つ患者の男児から花束を受け取る大泉洋さん(右)=5月19日、東京都内 (日本筋ジストロフィー協会提供)

 体は不自由、でも心は自由-。難病や事故、高齢などで体が思うように動かなくなった人たちは、いかに生きるべきか。難病の筋ジストロフィー患者の自立をテーマにした映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」は昨年末公開され話題を呼んだが、最近、主演俳優の大泉洋さんと前田哲監督がイベントに登場し、そんな問題を改めて語り合った。家族や社会保障などのサポートはあるけれど、真面目な人ほど「人に迷惑をかけたくない」と引きこもりがちになることも。私たちの社会は、そんな現実を認めたままでいいのだろうか。(杉浦美香)

 ■助けを求められたとき してあげられる人に

 映画は、介助がないと生きていけない人工呼吸器と車いす生活の体ながら、医師の反対を押し切って病院を飛び出した筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さん=平成14年、42歳で死去=の実話が原作。大勢のボランティアの手を借りて自立生活を送る姿が、笑いあり涙ありの演出で描かれる。

 5月に行われた日本筋ジストロフィー協会全国大会のトークショーでは、鹿野さん役を演じた大泉さんが、出演を引き受けた理由をこう語った。

 「病気を扱った日本のドラマはどうしても重く、一生懸命な闘病という話が多い。お涙頂戴の作品であれば自分がやらなくてもいいと思った。でも、鹿野さんは動けないのに、やるべきことをする。どこかコメディータッチで日本でこういうドラマはなかった」

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