観光客のマナー悪化に対策を 京都・祇園

マナー順守を促す看板も設置されている花見小路通り=京都市東山区
マナー順守を促す看板も設置されている花見小路通り=京都市東山区

 京都市東山区の祇園町南側周辺を訪れる観光客によるマナーが悪化している問題で、観光庁は今秋から、同エリア内にいる観光客のスマートフォンにマナー順守に関する情報を自動配信する実証実験を始める。8月に外国人観光客にマナーなどの理解度を尋ねるアンケートを実施し、早ければ10月から開始する方針。

 同エリアは市道の花見小路通を中心に、お茶屋など飲食店が並ぶ。歴史的な景観を残した町並みを撮影しようと、多くの観光客が訪れる。一方で、平成26年ごろからは訪日外国人観光客の急増に伴い、道いっぱいに広がって歩く▽芸舞妓を追いかけて撮影したり、触ったりする▽私有地に無断で入る-などの迷惑行為が問題となっている。地域住民らでつくる「祇園町南側地区協議会」の高安美三子会長は、「最近は特に迷惑行為が目立ってきた。祇園町は観光地ではない」と苦言を呈する。

 対応に苦慮する地元の要望を受けて、京都市などが対応を検討。10月から観光庁の実証実験として、観光客へのマナー周知や啓発を促す取り組みを始めることとなった。

 11日に地元住民や学識経験者、市などでつくる検討会が京都市内で開かれ、事業者を選定する国土交通省近畿運輸局から取り組み内容が示された。同局などによると、花見小路通やその周辺を訪れる観光客のスマホに、私有地への立ち入りや芸舞妓へのつきまといの禁止などマナー順守の情報を自動配信。英語を中心に、他言語でも配信するという。また、迷惑行為を注意する警備員の配置や防犯カメラの設置も検討している。6月に事業者が決まり次第、10月以降の実施を目指す。(小川恵理子)

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