スポーツ庁は10日、日本オリンピック委員会(JOC)などに加盟する中央競技団体(NF)の新たな運営指針「ガバナンス(組織統治)コード」を決定した。理事の多選制限などを盛り込み、2020年度から運用を開始する。諮問機関のスポーツ審議会から答申を受けたスポーツ庁の鈴木大地長官は「スポーツ界が新たなステージに踏み出せるように、前向きな改革につなげたい」と意欲を示した。
各競技団体の組織の新陳代謝を促し、不祥事の防止につなげる観点から、理事の在任期間を「原則10年以内」と明記。ただ、20年東京五輪・パラリンピックや22年北京冬季五輪前の混乱を避けたいNF側に配慮し、23年度までは適用を猶予する。
理事が国際競技団体の役職に就くなど特別な事情があれば、最大4年の任期延長が可能な例外措置も設けた。外部理事の割合は25%以上、女性理事は40%以上を数値目標とした。超党派のスポーツ議員連盟が18年末、ガバナンスコードの策定をスポーツ庁に提言。理事の在任期間や構成は諸外国の指針も参考に、専門部会で議論を進めた。
今後の運用はJOC、日本障がい者スポーツ協会(JPSA)、日本スポーツ協会(JSPO)の統括3団体が4年ごとに傘下の競技団体を審査。スポーツ庁などと統括3団体でつくる「円卓会議」が審査内容をチェックし、コードに反する事案があれば、統括団体を通じて改善を求める。