起訴状によると、女性に対する暴力が始まったのは29年11月ごろ。「約束を守らないから」という理由で最初に手を上げたのは高村被告だった。
最初は平手でのビンタが月に1回程度だったが、初めは守ってくれていた小倉被告も徐々に暴力に加担するようになり、自ら女性を殴ったり、蹴ったりするようになった。
モノを使った暴行にエスカレートするようになったのは、3人が酒々井町内の一戸建て住宅に引っ越した30年3月ごろから。
3人で休日に車で釣りに出かけたときには、「道案内をする」と約束していた女性が居眠りをしたことに高村被告が腹を立て、「嘘ばかりつくよね。口開けろ」などといって、車のトランクにあった釣り用のペンチで歯をつかんで折ったという。
別の日には小倉被告が、お金を盗んだことを認めないといって腹を立て、「嘘をつく。人の話を聞かない」と口や耳などをペンチでつかみ、出血するほどの傷を負わせた。
風呂の掃除をめぐってもめたときには、小倉被告が女性の額にポットの先を当てて3回にわたり熱湯をかけた。女性の顔は赤く腫れ上がり、炎症を起こして膿が出た顔にファンデーションを厚塗りして傷を隠していたという。
検察側は公判で、身体はやけどによる水ぶくれで服が着られないほどだったと指摘した。