大津園児死傷事故1カ月 「ママ、落ちる、嫌だ」 重傷の女児、心の傷深く

事故で重傷を負った女児(両親提供)
事故で重傷を負った女児(両親提供)

 大津市の交差点で信号待ちをしていた保育園児らの列に軽乗用車が突っ込み16人が死傷した事故から8日で1カ月となる。事故に巻き込まれた園児の1人で右足骨折の重傷を負った女児(2)の両親、山下奨太さん(33)と遥さん(26)が弁護団を通じて文書で取材に応じた。女児は現在も事故の記憶に苦しむ日々を過ごしているとし、「事故に巻き込まれなければ、と思うばかり」と苦しい胸の内を明らかにした。

◇「生活が一転」

 「あの事故で本当に生活が一転した。以前の生活に戻るのは本当に長い年月がかかる」

 両親によると、女児は大腿(だいたい)骨の付け根が完全に折れており、現在も入院中で車いす生活を送っている。医師からは骨が成長を止めてしまう成長障害などの後遺症が出る可能性も視野に入れるよう説明があった。

 女児は事故から最初の1週間は「車にぶつかった際の衝撃などが2歳の幼い子供の体に刻まれていて、毎夜、体をガタガタ震わせて目を見開き、『ママー、落ちるー、嫌だー』と泣き叫んでいた」という。

 現在は話ができるまでに落ち着いてきたが、顔を自分でたたいたり、眉毛を引っ張ったりすることがあり、保育園や友達の話も一切しなくなった。

 両親は「傷の痛み、歩けない苦しさ、家に帰れない不安、幼いながらに必死に耐えて我慢している。代わってやれるものならと胸が引き裂かれる。退院しても歩けない可能性、後遺症などさまざまなことを考えると不安で仕方がない」と心境を吐露した。

◇再発防止に望む声

 滋賀県は5月末から、交差点約600カ所の安全点検を進めており、事故現場の交差点では歩道に車が進入しないよう防護柵を設ける工事が始まっている。両親は「事故が起きてからでは遅いのではと感じている」としながらも、事故の再発防止のため「今回の事故で県だけでなく、国全体で道路を見直し、交通量の多い交差点などはガードレールやポールの設置とともに待機時に保護されているスペースなどを作ることで、(子供たちも)安心して交差点で待機できるのではないか」との考えを示した。