松本真由美の環境・エネルギーDiary

太陽光パネルの大量廃棄時代に備える

 今後の論点として、以下のようなことなどがあります。

 (1)積立金額はどのような水準が適当か

 (2)分割して積み立てる場合、FITに基づく調達期間(20年間)のうち、どの範囲で積み立てるのが適切か

 (3)外部積立制度を施行するにあたり、FIT認定事業者は、買取義務者(送配電事業者または小売電気事業者)との間で、FIT法に基づく特定契約(買取契約)を変更しなくても、源泉徴収的に積立金を確保することが制度上の義務として行われるよう、法令や契約で措置できないか

 (4)積み立てにあたっては、数十万件の事業者の積立金管理、積立金の取り崩し要件の審査などの業務を費用負担調整機関が新たに担うことになるため、民間金融機関と連携して資金管理システムを構築できないか

 環境省の「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」によると、太陽光パネルの製品寿命は約25~30年とされますが、一部製品は寿命より前倒しで排出されています。2030年代後半には年間約50万~80万トンの太陽光パネルが排出される見通しで、産業廃棄物の6%にも及ぶとの試算もあります。太陽光パネルの多くはガラスでできていますが、リサイクルで価格が付きやすいアルミや銀なども含まれており、リサイクルを進めることで廃棄量を減らす努力も必要です。また、廃棄費用の積立制度と併せて、再使用の公的な仕組みも整備し、太陽光発電の長期安定電源化に向けた責任を果たしてほしいと思います。

 まつもと・まゆみ 東京大学教養学部客員准教授(環境エネルギー科学特別部門)。上智大学在学中からテレビ朝日のニュース番組に出演。NHK-BS1ワールドニュースキャスターなどを務める。環境コミュニケーション、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を研究する傍ら、シンポジウムのコーディネーターや講演、執筆活動などを行っている。NPO法人国際環境経済研究所(IEEI)理事。

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