松本真由美の環境・エネルギーDiary

太陽光パネルの大量廃棄時代に備える

源泉徴収式の外部積立

 太陽光発電設備の廃棄処理の責任は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」に基づき、発電事業者や解体事業者などの排出者側にあります。

 政府は昨年4月、「事業計画策定ガイドライン」を改訂し、これまで努力義務としていた事業用太陽光発電設備(10キロワット以上)の廃棄などの費用の積み立てを義務化し、同年7月からFITの認定を受けた設備の定期報告の中で、積立計画と進捗状況の報告を義務化しました。

 FITでは、買取価格の算定に廃棄費用が含められており、発電事業者に廃棄費用の積み立てを促していますが、積み立ての水準や時期は発電事業者に委ねられています。定期報告の中の積立進捗状況(今年1月時点)を見ると、低圧(20~50キロワット未満)、高圧/特別高圧(50キロワット以上)とも実に84%が「積み立てていない」と回答していることがわかりました。

 そのため、廃棄費用の確実な積み立てを担保する仕組みとして、第三者が積み立てる「外部積立」が検討されています。

 外部積立には、(1)発電事業者が外部に積み立てる方式と、(2)発電事業者の売電収入から積立金を差し引き、費用負担調整機関(FITに基づく再エネ賦課金の単価が全国一律になるよう、地域間の調整を行う清算機関)が源泉徴収的に積み立てる方式-の2タイプが考えられます。実効性の面から、源泉徴収式が適切ではないかと議論しているところです。

 外部積立は、廃棄資金の確保が確実になる一方、事業者が柔軟に資金を使えないため、積立の引き出し要件次第では、故障設備の交換といった再投資がしにくくなる面があります。一方の内部積立は、事業者が柔軟に資金を使えるため、再投資がしやすいというメリットがあります。

 そのため、原則、発電事業者の売電収入から源泉徴収的に積立金を差し引く外部積立を求めつつ、長期安定発電の責任を担うことが可能と認められる事業者には内部積立を認める方向になりそうです。すでに稼働しているものも含め、FITの認定を受けた10キロワット以上のすべての太陽光発電設備について、廃棄などの処理に必要な資金を積み立てることになります。

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