中露、対米批判強める 共闘姿勢鮮明に 首脳会談

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は5日、モスクワで会談した。両首脳は会談後の共同声明でトランプ米政権によるイラン核合意からの離脱や中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄、「宇宙軍」創設計画などを批判。一方、中露の戦略的協力関係をさらに深化させることで合意した。米国の経済制裁下にあるロシアと、米国との貿易摩擦が激化している中国の対米共闘姿勢が改めて鮮明になった。

 会談後の記者発表でプーチン氏と習氏はともに、両国の貿易規模や技術協力が拡大しているとし、「両国関係は史上最高の水準に達している」との認識に言及。科学技術の革新に向けて10億ドル(約1080億円)規模の共同基金を新設することでも合意した。

 一方、共同声明では対米批判を強めた。イラン情勢をめぐっては、米国の核合意離脱と経済制裁再開を念頭に「いずれかの国による一方的な経済制裁に反対する」と表明。INF全廃条約の破棄についても「戦略的安定性を損ない、軍拡を招く」とし、米国にINF体制への復帰を求めた。

 宇宙の軍事利用をめぐっては「中露両国は宇宙兵器を制限する国際条約の策定に賛成する」とした上で、「(3月に開かれた)国連の政府専門家会議で、米国が勧告の取りまとめを阻止した」と批判。米国が勧告作成に反対した背景には、中露の宇宙兵器開発への懸念があったとされる。

 南米ベネズエラ情勢では「内政不干渉の原則が順守されるべきだ」とし、軍事介入の可能性を示唆する米国を批判。北朝鮮非核化問題でも「関係国による北朝鮮の体制保証が必要だ」と指摘し、米国主導での解決を牽(けん)制(せい)した。さらに米国の貿易政策について「保護主義だ」と非難した。