「なつぞら」超えるか 次期朝ドラ主人公の波瀾万丈

 現地の土を持ち帰って焼き方を工夫。当時の焼き方を再現するため文献を読み込み、釉薬は使わず、古代の穴窯を再現して薪で火をおこした。

 窯の中の空気の流れや薪の灰の付き方を研究し、作品の位置も工夫。通常は数日の焼成期間を14日に伸ばし、通常の方法ではありえないような高温で作品が焼き崩れる寸前まで窯を炊き続けた。すると、土に含まれた石が溶け出して薪の灰と混ざり合い、宝石のような輝きを見せた。

 破片を見つけてから5年、ようやく自分の技法を確立した。薪の灰と土の中の石が溶け出して作る独特の「火色」は神山さんの代名詞となり、評価を不動のものにした。

突然の悲劇

 陶芸家として成功する一方で、私生活では突然の悲劇に見舞われた。平成2年2月、同じく陶芸家として活動していた長男の賢一さんが病に倒れたのだ。病名は慢性骨髄性白血病。当時は不治の病とされていた。

 救うには骨髄移植しかなかったが、親族の骨髄は型が一致しなかった。型が合うドナーを探そうと、賢一さんと同じ病気に苦しむ患者やその家族らと交流を深め、提供に同意するドナーを登録する「骨髄バンク」の設立に向けて活動を始めた。