28年にスポーツ庁が「安全にできない場合は実施を見合わせるべきだ」とする通知を出し、八尾市は同年、ピラミッドは5段、タワーは3段までとする段数制限を設けた。大阪市は同年度からピラミッドとタワーを全面禁止。しかし東大阪市では制限を設けておらず、昨年はピラミッドの練習中、1人が首を捻挫したという。
大阪府教育庁は今週中にも、政令市をのぞく府内自治体の教育委員会に注意喚起の文書を送付する方針。酒井隆行教育長は「集団で成し遂げる教育的意義は理解できるが、高さにこだわらず、安全に軸足を置くよう各自治体に再考を促したい」と説明。ただ、段数制限や中止といった踏み込んだ内容にはならないという。
教育現場の事故に詳しい名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)は「学校と市民との間の感覚のずれが大きすぎる。感覚が鈍すぎると言わざるをえない」と強調。今回の騒動について「市民がインターネットで声を上げ、段数を減らせたことは大きい。教育現場はもう気づくべきだ」と話している。