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将棋の羽生善治九段(48)は4日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指された第60期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフで永瀬拓矢叡王(26)に勝ち、最多の公式戦通算1434勝(591敗、2持将棋(じしょうぎ)=引き分け)を達成した。故大山康晴十五世名人がプロ入りから52年の69歳3カ月で樹立した記録を27年ぶりに塗り替えた。
羽生九段の新記録は昭和60年の15歳でのデビューから33年、48歳8カ月の最速・最年少・最高勝率(7割8厘)での到達となった。1千勝以上を挙げたプロ棋士9人の中で、勝率7割超は羽生九段のみとなる。
羽生九段は埼玉県出身。史上3人目の中学生棋士になり、平成元年に19歳で初タイトルの竜王を奪取し、8年に初の全7冠を独占。29年には初の永世七冠を成し遂げ、30年2月に将棋界では初めて国民栄誉賞を受賞した。
30年12月、27年ぶりの無冠となったが、前人未到の獲得タイトル通算100期にあと1期と迫っている。今月6日には、豊島将之王位(29)=棋聖・名人=への挑戦権を懸けた挑戦者決定戦に臨む。
羽生九段は新記録の達成に「大山先生の時代とは棋戦の数も時代背景も違うので比較は難しいが、数字の上で一つ先に行けたのは棋士としてありがたいこと」と話した。