選挙カー運動員の奪い合い、大阪市議逮捕の背景か

 しかし、今回は吉川容疑者への報酬が18万円と高額で、選挙戦に向けて不破容疑者が、選挙カー運動員の確保に危機感を募らせていた様子がうかがえる。多くの選挙が重なる統一選で市議選が行われたことも確保を難しくした一因といえる。

 東京都内のある人材派遣会社は今回、区議選など都内の選挙を中心に計6陣営に約20人の選挙カー運動員を派遣した。告示1カ月前から問い合わせが殺到し、告示3日前になっても、思うように確保できない陣営から、人材を望む切実な電話があったという。

「制度が形骸化」

 「運動員を奪い合う統一選の構図の中で、法定どおりの日当で人材が集まるのか」。日本大の岩井奉(とも)信(あき)教授(政治学)は現行の選挙制度に疑問を呈する。

 選挙カー運動員の日当などが定められたのは、公選法が改正された昭和53年。この間、運動員に不正な報酬を支払ったなどとして摘発された選挙違反事件は枚挙にいとまがない。

 夏の参院選にあわせて衆院選も行う衆参同日選となれば、運動員の争奪戦が再び起こる可能性もある。岩井教授は「優秀な人材を得るためには多額の報酬を支払わざるを得ない現状があり、制度が形骸化している」と指摘。「国は実態を調べて適正化を図っていく必要がある」と話した。