ドイツのメルケル政権大揺れ 社民党の党首辞任で連立解消の懸念

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツのメルケル連立政権で一翼を担う中道左派、社会民主党のナーレス党首が3日、正式に党首を辞任した。党内で不満の強い連立を支えてきた存在だっただけに、政権内には大きな動揺が走っている。社民党が連立解消に向かう懸念も高まり、政権の先行きに不透明感が強まってきた。

 ナーレス氏は5月下旬の欧州連合(EU)欧州議会選で大敗した責任をとって辞任した。得票率は15・8%で、全国規模の選挙で過去最低だった2017年総選挙の約21%も下回った。同氏は3日、「党には頑張ってもらいたい」とのみ語り、党本部を去った。

 社民党は13年以降、メルケル氏のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と政権を組むが、独自性をアピールできず党勢が低迷。党内では連立への懐疑論が強く、ナーレス氏の辞任で「(政権への)協力基盤はもうない」(党地方支部)と早期の連立解消を求める声も上がった。

 党側は3日、幹部ら3人が暫定的に共同で代表職を担うことを決めたが、新党首の選出方法や時期については結論を持ち越した。党首選びでは連立継続の是非が焦点になるのは避けられないとみられ、慎重に対応を検討しているもようだ。

 メルケル氏は2日、「強い責任感を持って政府の仕事を続けたい」と述べ、社民党に連立継続への協力を訴えた。社民党が連立を離脱すれば、緑の党など2党との連立を模索するとみられるが、かつて連立交渉に失敗しており難しい。

 このため解散・総選挙を迫られるとの見方も強く、21年までの首相任期全うを目指すメルケル氏の退陣が早まる可能性もある。メルケル氏のCDU・CSUも欧州議会選で得票率が約29%と過去最低を記録。世論調査では緑の党に支持率で首位も奪われ、苦しい状況だ。