東京労働局は、労働に関する法令に違反の疑いがある都内の665事業所に対し、重点的に調査を実施した結果、458事業所(68・9%)で違反を確認したと発表した。長期の残業が確認された事例が多く、時間外・休日労働時間を月80時間以内に削減するよう指導を受けた事業所は208カ所に上った。
調査は昨年11月に実施。その結果、違反した458事業所のうち、違法な残業があった事業所は240カ所に上り、「過労死ライン」とされる残業月80時間を超える事業所は127カ所に上った。そのうち150時間を超える事業所も12カ所、200時間を超える事業所も4カ所あった。
協定などで合法的なものも含めると、時間外・休日労働時間を80時間以内にするよう指導受けた事業所は208カ所。
違反のうち、賃金不払い残業があった事業所も39カ所に上った。過重労働による健康障害防止措置を行っていない事業所は101カ所に上った。
労働局によると、都内の映画・演劇に関する企業(社員ら110人)では、残業や休日、深夜労働に対する割増賃金も全く支払われず、義務付けられている健康診断も実施していなかった。
残業が月171時間に及ぶ社員もいたという。労働局は労基法違反として是正勧告した。
東京労働局は、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」で、長時間の過重労働による過労死などに関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場などに対して、重点監督を実施していた。