その他の写真を見る (1/1枚)
平成時代の幕開けはベルリンの壁の崩壊と天安門事件だった。ソ連崩壊は社会主義陣営の限界を露呈し、天安門事件は自由や人権の徹底弾圧なしには存続不能な中国共産党の異形さを暴露した。
日本は米国一強時代の下で安寧の30年を過ごした。自然災害は多発したが総じて豊かで平和な時代だった。しかしこの平和は日本自身が勝ちとったものではなく、米国の庇護(ひご)によって実現されたと言ってよい。
令和の時代に、日本がこれまでと同様の平和と繁栄を享受するには尋常ならざる努力が必要だ。令和の幕開けに北朝鮮がミサイルを発射したことは日本の足元の状況がどれほど切迫しているかの象徴ではないか。貿易戦争に始まる米中対立は、劇的な和解の可能性はゼロとはいえないものの、恐らくより本格的な対立へと深まっていくと思われる。それは価値観の対立であり、ルールを守る国と守らない国の長期の戦いであろう。その中で日本の選択は米国につくこと以外にないが、その米国が日本の自立を要求している。