【シンガポール=森浩】シャナハン米国防長官代行は1日午前、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説し、南シナ海で軍事拠点構築を進める中国を念頭に「どんな国も単独でインド太平洋地域を支配すべきではない」と批判した。
シャナハン氏は「米国はインド太平洋地域に変わらぬ関与をしている。それは自由で開かれたものにしているという関与だ」と言及し、「永続的に関与する」と宣言した。その上で、域内では「主権が守られることが重要で、知的財産の保護も欠かせない。航行と上空の飛行の自由も守られなくてはならない」とし、名指しは避けつつも中国の拡張主義を牽制(けんせい)した。
北朝鮮については「米国や同盟国を確実に攻撃できる能力を持つ」と指摘した上で「重大な脅威であり続けている」と警戒感を表明。また域内でパートナーとなる同盟国は地域安定のために「応分の負担」を負うべきだと指摘し、防衛費や投資の増加を求めた。
米トランプ政権は南シナ海で軍艦による「航行の自由作戦」の頻度を高めているほか、今年に入って台湾海峡の艦船通過も繰り返しており、中国を牽制する。