競泳のジャパン・オープン第3日は1日行われ、女子200メートルバタフライで牧野紘子が世界選手権への派遣標準記録を突破した。
ラスト50メートル。0秒62差で先を行く隣の長谷川を必死に追いかけた。「行ける」。最後はタッチの差で2位に終わったが、掲示板には派遣標準記録を上回る2分7秒32が表示された。「2位か、と悔しかったけどタイムは切れていると思って。よかった」。ゴール後は優勝した長谷川と抱き合い、笑みがこぼれた。
4月の日本選手権は女子100メートルバタフライで優勝し、メドレーリレー要員での代表入りを決めた。しかし、本命のこの種目ではふるわなかった。
専門外の大橋悠依(イトマン東進)も残り1枠の代表権を狙う中、「決勝で(大橋のことは)意識しなかった」と焦りはなかった。自身の記録との勝負に徹し、個人種目で世界切符をつかんだ。
前回の世界選手権は、ともに代表入りした長谷川とともに力を出し切れず、ふがいない結果に終わった。「メダルを狙わないと出場する意味がない。メダル争いをしたい」。雪辱へ向け静かに闘志を燃やした。(久保まりな)