◆米中新冷戦への「戦略理論」を準備
関税戦争で始まった米中覇権争いは、いよいよ総力戦の様相を帯びてきた。2000億ドル分の中国からの輸入品に対する関税率を10%から25%に上げる決定を下し、さらに第4弾を準備中だ。一方で、日欧、カナダ、メキシコ向け関税の手を緩め、ターゲットを中国に絞った気配である。
そのさなか、米国務省のカイロン・スキナー政策企画局長が、第2次冷戦に向けた対中戦略の「X書簡」を策定中であることを明らかにした。米ソ冷戦時に対ソ封じ込め戦略を打ち出した初代政策企画局長、ジョージ・ケナンの「X論文」になぞらえている。