社説検証

裁判員制度10年 産経は先例重視の上級審批判/「量刑に国民感覚反映」と各紙

国民が刑事裁判の審理に参加する裁判員制度が始まって10年を迎えた。9万人が裁判員を務め、1万2千人の被告に判決が言い渡された。量刑に国民感覚が反映された、裁判が分かりやすくなったという点で、各紙は肯定的に論じたが、一方で、裁判員の辞退率の増加傾向などに強い懸念が表明された。

産経は「おおむね順調に推移し、十分な成果を挙げたと評価すべきだろう。これを支えたのは、勤勉でまじめな国民性である」と総括した。制度開始当初、一般国民が死刑を選択できるか疑問視する意見もあった。「だが裁判員は真摯(しんし)に事件と向き合い、悩んだ末に多くの裁判で死刑判決を選択した。死刑制度の存続議論にも大いに参考にすべき結果である」と説いた。

産経が、最大の成果として注目したのは量刑の変化である。最高裁の報告書によると、裁判官のみの裁判より、性犯罪の強姦(ごうかん)致死傷と強制性交致死傷で重い量刑が選択される傾向が顕著だった。「裁判員裁判の量刑判断に後押しされるように、刑法が改正され、性犯罪の法定刑の下限が引き上げられた」と指摘し、「裁判員が国と司法を動かしたといえるだろう」と評した。

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