【ロシアを読む】露アエロフロート機炎上 人的ミスの背景にパイロット流出(2/2ページ) - 産経ニュース

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露アエロフロート機炎上 人的ミスの背景にパイロット流出

毎年、数百人が流出

人的ミスの可能性が強まってきたことで、以前から懸念されてきた露航空会社のパイロットの質低下に改めて注目が集まっている。

RBK紙によると、今回の機長は総飛行時間6800時間、うちSSJ100の飛行時間は1400時間で、経験豊富と呼べるパイロットだった。

だが、露航空業界関係者は産経新聞の取材に、「着陸時の映像を見る限り、機体に問題はない。アクシデントや緊急着陸への緊張で、正常な操縦ができなかったのではないか」と、機長の適性に疑問を呈した。

露大衆紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」によると、ロシアでは近年、主要航空会社全体で毎年300~500人のパイロットが他国の航空会社に移籍している。移籍先は中国やインド、カンボジアなど経済発展が目覚ましい国々の会社が多いという。

外貨の魅力

移籍の動機の大半は、高額な報酬とみられている。ロシア人の平均月収が約3万2千ルーブル(約5万4千円)とされる中、同紙によると、パイロットの月収は30万~65万ルーブルほど。日本円で60万円弱~100万円超と、露国内では非常な高給取りだ。

しかし同紙は、他国の会社はロシア人パイロットをスカウトする際、月収1万5千ドル(165万円)を提示した事例があると紹介。ロシアのパイロット報酬は世界の水準に達していないとの見方を示した。

また経済制裁下のロシアでは通貨ルーブルの価値が下落。それに伴って収入が実質的に目減りしていることもドルなどの外貨で報酬を得られる他国の会社の魅力を高めているとされる。

こうした流れの中で、能力の高いパイロットが流出し、露国内のパイロットの質が低下しているのではないか-との疑念が強まっているようだ。