「絶対に立ち止まるな」とトランプ氏 拉致被害者家族「勇気もらった」

 北朝鮮による拉致被害者家族会は27日、東京・元赤坂の迎賓館でトランプ米大統領と平成29年11月以来、2度目の面会を行った。面会後の記者会見で、家族らは「トランプ氏から勇気をもらった」と感謝の思いを語り、被害者全員の即時一括帰国に向けた日米の連携にも期待をにじませた。

 「拉致問題は私の頭の中に常にある。安倍晋三首相とともに、解決に向かって努力したい」。トランプ氏は家族を前に局面打開への思いをこう伝えたという。

 家族会代表で田口八重子さん(63)=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(80)は「拉致問題を何とか解決したい、という意気込みを感じた」と手応えを語った。体調が優れない中で面会に臨み、感謝と期待を伝えた飯塚さんは「トランプ氏の取り組みで良い流れができている。安倍首相は好機を逃さず解決につなげてほしい」と早期の進展を要望。「私も負けずに頑張る」と決意を述べた。

 トランプ氏は29年の家族との面会で被害者帰国への尽力を約束。この日も解決への思いを交わした。家族代表の一人として謝意を伝えた横田めぐみさん(54)=同(13)=の母、早紀江さん(83)は「きっと会えるよ」と励まされた。早紀江さんは「北朝鮮のトップに拉致解決を直接、突きつけることはとても重要だった」とし「これからも日本と一つになり、ご尽力頂きたいとお願いした」と振り返った。

 拉致直前に撮影しためぐみさんの着物姿の写真を胸に会見に臨んだ弟、拓也さん(50)は「北朝鮮は日米に嘘をついてきた」と安易な制裁緩和をしないよう求めた。「あなたが家族を愛しているように、父と母は姉を愛している。今後も支援をお願いしたい」と伝えると、トランプ氏は「絶対に立ち止まってはならない」と応じたという。(中村翔樹)

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