CountDown東京2020

開幕まで14カ月 忍者のようにバトンパス 男子400リレー

日本伝統のバトンワークは熟練しつつあり、さらにタイムを短縮するには個々の走力向上という課題を避けて通れない。近年はシーズン前、選手をリレー合宿で集めず、各自で課題を見据えてトレーニングし、バトンは実戦の中で磨く強化策を取っている。リオ五輪代表の山県亮太は「銀メダルを取って『もう一つ上に』という気持ちが強くなった。金メダルを目指したい」と意気込んでいる。

9秒97×4なら「金」狙える

銀メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪直後、日本陸連短距離部長だった苅部俊二氏は「東京五輪で金メダルを狙うなら100メートル9秒台か、200メートル19秒台の選手が2人はほしい」と語っていた。当時、日本に「10秒の壁」を突破した選手はいなかったが、2017年に桐生祥秀が9秒98の日本記録を、今月11日にはサニブラウン・ハキームも9秒99をマーク。苅部氏が指摘した水準に達し、史上最速の陣容となりつつある。

日本陸連の土江寛裕五輪強化コーチによると、400メートルリレーのタイムは、メンバー4人の100メートル(または200メートルの半分)のシーズンベスト合計より5~6%速くなることが分かっている。これはバトンワークの精度に関連しており、1992~2016年の世界大会で、日本が最も短縮したのは北京五輪の6・85%、2番目がリオ五輪の6・46%だ。なお、リオ五輪決勝では日本と中国(6・88%)以外は5%台で、米国は4・95%だった。

土江氏は「日本はバトンが良い時で6・5%ほど。そうすると、4人の平均が9秒97で金メダルを狙える」とみる。計算通りに運べば、日本記録を0秒3以上上回る37秒29。ウサイン・ボルト擁するジャマイカチームが活躍した北京五輪以降の世界大会8大会で5度優勝できたタイムとなる。

来年7月24日の五輪開幕に合わせて毎月24日に掲載します。

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