森保監督は南米選手権を東京五輪に向けた強化の舞台とする姿勢を鮮明に打ち出した。18人もの五輪世代を選出し、会見では「成長」という言葉を繰り返した。指揮官は「金メダルを取ろうと思っている」と、来夏の目標も明言した。
苦境を逆手に取った大胆な策だった。招待出場の日本は選手招集に強制力がない。エースの大迫(ブレーメン)がクラブから出場に難色を示されるなど招集は難航し、平均年齢22・2歳、平均キャップ数11・3試合の若い編成に行き着いた。
南米の強者、巧者がそろう真剣勝負の公式戦。ベストの布陣でも日本の勝利は簡単ではない。指揮官は「行って経験するだけ、にするつもりはない。勝ちにこだわってやっていく」と語った。結果を残し、揺るがぬ自信を得ようともくろむ。
森保監督は来年の夏、表彰台の中央に立つ条件をこう考えている。「フル代表で活躍できる力を持った選手が出て戦うくらいでないと、(金メダルという)目標達成は難しい」。南米で若き才能の心技体を磨き、東京五輪への跳躍台にする。(五十嵐一)