安倍首相「拉致問題は政権の最重要課題」 国民大集会あいさつ全文

 安倍晋三首相は19日、北朝鮮による拉致被害者家族会や「救う会」などが東京都内で開いた国民大集会に出席し、「拉致問題は安倍政権の最重要課題」と強調した。安倍首相のあいさつの内容は次の通り。

 今回、拉致問題の解決を求める1300万筆を超える署名が(会場に)展示されている。今年は家族会が結成され、22年。ご家族や関係者の皆さまがこの22年という長い年月をかけて、全国各地で集めた思いが積み重なり、この1300万筆もの署名に至った。

 これは、そう簡単なことではなかったと思う。雨の日あれば、風の日もあった。そして必ずしも、当時はまだ十分な理解が進んでいない中で、何とか子供たちを、家族を取り戻したいというご家族の思いで、これだけの署名を積み重ねることができた。改めて政府として重く受け止めたい。

 平成14年に5人の拉致被害者の方々が帰国して以来、16年以上の間、1人の拉致被害者の帰国も実現できていない。拉致問題に当初から取りくんで来た政治家の一人として、また、日朝首脳会談に官房副長官として同席したものとして、痛恨の極みだ。

 ご家族もご高齢となるなか、拉致問題の解決には、米国をはじめとする国際社会と緊密に連携していくことが重要だ。4月に米国を訪問し、トランプ大統領から(2月の)2回目の米朝首脳会談の詳しい説明をうかがった。大統領は非常に真剣な顔つきで、身を乗り出し、会談の雰囲気や北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がどのような様子で話をしているかを語ってくれた。

 トランプ氏が一番重要な初日の最初に行った「テタテ」と呼ばれる1対1の会談の場で貴重な時間を割いて金氏に対し、拉致問題に関する私の考え方を明確に伝えたとの説明があった。

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