遺骨鑑定第一人者、楢崎さん亡くなる 「戦争犠牲者に人道尽くす」

 1月のミャンマーでの活動では、同じ洞窟内から旧日本軍将兵と戦後に処刑されたというミャンマー人計31人の遺骨を発見。楢崎さんは、細かいものも含め全ての遺骨を引き上げて精査するという途方もない労力をかけ、日本人29人分とミャンマー人2人分の遺骨に分類した。

 また、軍人だけでなく一般人の遺骨も多くみつかるサイパン島で活動した際には、遺骨から子供の年齢だけでなく、母親のおなかにいた胎児であることまで見分けていたという。

 日本人かどうかを見分ける遺骨鑑定人としての仕事の枠を超え、遺骨と向き合ってきた楢崎さん。これまで楢崎さんと一緒に活動に参加し、亡くなったテニアン島での活動にも同行した同協会理事で、JYMA日本青年遺骨収集団理事長の赤木衛さん(54)は「戦没者への敬意や人情味あふれる人柄だけでなく、遺骨について科学的に考察される方だった」と振り返る。

 昨年にはこれまでの活動をまとめた「骨が語る兵士の最期」を出版し、活動への意欲も語っていたという。赤木さんは「今年から先生をお迎えして『さあこれから』というとき。心から残念に思う」と惜しんだ。

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