話の肖像画

盛岡大付高野球部前監督・沢田真一(54)(1)「負け方、教えます」

盛岡大付高野球部前監督・沢田真一氏
盛岡大付高野球部前監督・沢田真一氏

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〈春夏の甲子園大会が近づくと、高校野球関係者が手に取る一冊に「甲子園の負け方、教えます。」という風変わりなタイトルの本がある。著者は甲子園の常連校となった盛岡大付属高校野球部の基礎を築いた前監督で、同校教頭の沢田真一氏だ。朝5時から夜8時までバッティングピッチャーを務めた逸話もある熱血指導で、18年間の監督生活を通じてチームを春夏合わせて甲子園に7度導いたが、全て初戦で敗れた〉

執筆時には甲子園で負けた人間の話なんか、誰が聞くかというふうにも思いました。実際、本の原稿を送った4社のうち3社には、ストレートではありませんが私のそんな思いと同じようなことを言われました。振り返ってみると、ずいぶん強烈な返答だったなと思っています。でも、同僚の先生に言われたんです。「甲子園に7度も出場したこと自体がすごいじゃないですか。どうして出場できたのか、それだけを書いても面白いのではないですか」と。

〈同書が教える甲子園の負け方は「舞い上がる」「よそゆきを着る」「自信と紙一重の慢心」「守備の崩壊」「ひと言足りない」「選手を育てきれない」の6種類〉

甲子園の「負け方」は裏を返せば「勝ち方」になります。1度も勝てなかったのは残念ですが、甲子園にチームを7度連れて行けた私の経験が、野球をはじめいろいろなスポーツの指導で悩んでいる先生方の何かの参考になればと思い、取り置きのメモをおこして本にまとめました。おかげさまで1万冊以上売れ、春夏の甲子園が近くになるたびに引き合いがあるそうです。

〈就任5年目の平成7年、夏の甲子園に初出場を果たしたが、5-7で高知商に敗れた。「舞い上がる」が敗因だった〉