ルーブル美術館のピラミッド イオ・ミン・ペイ氏 死去 102歳 世界文化賞第1回受賞者

イオ・ミン・ペイ氏(廣澤淳夫撮影)
イオ・ミン・ペイ氏(廣澤淳夫撮影)

【ニューヨーク=上塚真由】パリの「ルーブル美術館のピラミッド」などを設計した中国生まれの世界的な米建築家、イオ・ミン・ペイ氏が死去した。102歳だった。米紙ニューヨーク・タイムズが16日報じた。1989年の第1回高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)の受賞者。

 17年、中国・広東省の裕福な銀行家の家に生まれ、35年に渡米。マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学大学院で学び、近代建築運動を展開したヴァルター・グロピウスやマルセル・ブロイヤーの下で建築家としての基礎を固めた。54年に米国の市民権を取得した。

 作風から「幾何学の魔術師」と称される。代表作はボストンの「ジョン・F・ケネディ図書館」、ワシントンの「ナショナルギャラリー東館」、北京の「中国銀行本店」などで、多くの作品はそれぞれの都市の記念碑となっている。ルーブル美術館の中庭に設計したガラスのピラミッドは当初、歴史的建造物のルーブル宮殿にふさわしくないと論議を巻き起こしたが、現在はパリの名所として親しまれている。83年に「建築のノーベル賞」と言われる米プリツカー賞を受賞。97年に開館した滋賀県甲賀市の「MIHO MUSEUM」(ミホミュージアム)の設計も担った。

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