ニューリーでは住民の大半が、離脱によって厳格な国境管理が復活する可能性を懸念。残留を主張し、英国に対する不信感が強まっているという。
バーンさんは「紛争は終わったが、多くの犠牲者を出した紛争の傷痕がまだ残っている。完全に暴力がなくなっているわけではない」と話す。国境問題が取り沙汰されることでIRAの残党が治安を悪化させることを危惧した。
■
5月初旬。ベルファスト中心部で、地元の画家らが尊敬の念をこめて、亡くなったマッキーさんの壁画を描いた。
「(この状況は)いつまでも続くわけじゃない。良くなっていくだろう」
壁画には、満面の笑みのマッキーさんとともにメッセージが一言、添えられた。その言葉を、北アイルランド情勢の改善を願うマッキーさんの「願い」だと受け止める近隣住民もいる。
壁画の写真を撮影した男性は「英国が離脱を撤回しない限り、北アイルランドの現状は本当の意味で好転しない。マッキーさんの願いは報われるかどうか…」とため息をついた。(ベルファスト 板東和正、写真も)